採用活動雑感”ある担当者とのお話し”

担「この間○○大学で合同説明会に参加させてもらったんだけど、不思議だなあと思うことがあったんですよ。」

 

私「何ですか?」

 

担「たくさんの学生が参加しているんですけれど、特定のブースだけが一杯で、そのあとはあまり会場を回る様子がなかったからなにしているのかなと出入り口を見に行くと、そこでともだちと喋っているんですよ。」

 

私「いわゆる”壁の花”ですね。」

 

担「そう。はたして彼らは本当に就職活動が厳しいものだと感じているのか、来年は就職しているいイメージとかあるのかなと思ったんです。」

 

私「確かに、スケジュールすべて埋めて、刹那的にひたすら活動を行い、持ち駒と呼ばれる活動企業をキープしながらいくつかの内定をもらう。その中から絞った一社に入れればいいかな・・といった具合。」

 

担「もしも自分自身がこうなりたい、こうしたいといった漠然としたものがあれば行動ももっと変わるのではないかと思います。ましてやそれが曖昧なら合同説明会なんてブースを回ることで何かヒントを得てやろうという感じでもいいんですけどね。」

 

私「私もよく今の学生の方は、ゆとりとかそんなものではなくて、便利や豊かの反動で圧倒的にすべてのことにおいて経験する機会を失っているとお話しします。時世の中での無意識というか。思考を預けてここまで来ている人も多い中、自分の前に歩く道をつくることって初めてのことなんですよね。」

 

担「確かに。四畳半の風呂なしアパートでダニと一緒に暮らすなんてことはないだろうし、ひとつのキャベツを四つに分けていかに食料として長持ちさせるか・・なんて考えなくていいだろうしね(笑)。」

 

私「そんなやつはいない(笑)。何か買うにしても最低の生活はクリアされている人がほとんどでしょう。でもキャベツをどう長持ちさせるか・・を通じて我々が経験し、考えたことは”機会”として喪失していますよね。」

 

担「うちとしては会社に入ったらまず辞めるなんていう選択肢はなくて、ひたすら仕事に向き合えるような気概が欲しいと思いますね。1年や2年ではなんにもわからない。そのあとも本人にとって良い要素がない。」

 

私「そうですね。まずは目的意識を自分で持ってほしいですね。できるかどうかということや、これで正解なんだろうか?などはちょっと置いといて(笑)、自分なりの方向性、これが必要でしょうね。」

 

担「若いころ漠然と立てた人生の方向性も、紆余曲折を経てそうなっていくものかなあと自分自身が思う。もちろん苦労がつきものだけれども。でもどういう風に進んで行くかの仮説さえも立てずに一歩踏み出すのは難しい。いつまでも足踏みしていると、タイミングを失ってしまう。あまり周りに流されずに自分でしっかり考えてほしいですね。社会に出れば働くのは自分なんだからね。」