2014年採用活動終盤まとめ(後篇)

選考側からこの選考について述べます。多くの企業が「優秀な人」が欲しいと思っています。しかしながら「自社に合うか」または「自社に来てくれるか」ということに考えが言ってしまうと思います。では学生はどのように考えているか?面接をしていて感じる事ですが、殆どの学生は就職活動(特に合同説明会や単独説明会)を通してエントリー企業への動機が高まっていきます。つまり、ナビ情報も精査して「いかに自社ターゲットに届くか(システムそのものではなく文面や作り方)?」を考えなくてはいけないのですが、もっともっと大事なのは「直接学生と触れる社員の厳選、教育」と「打ち出す内容の明確化」なのです。

ごくたまに合同説明会会場に伺いますが、何の緊張感も魅力もない「ブースに座ったら自動的に決まった事を話す担当者」と、イベントの一部として盛り上げ、かつ自社ターゲットに出会うためのアンテナを立てている「モチベートされた担当者」とでは、ファーストインパクト(まだ真っ白なので印象に残り易い)がまったく違ってきます。もちろん、ここでの印象が後の応募動機や意識醸成、職業観にも大きく寄与してきます。つまり、学生の前に出る前の準備がモノを言うと言う事です。「思ったような学生が採用できない」ことは、決して企業の規模や認知度だけではないということです。現に、多くの採用成功中小企業は、こういった点をクリアしていると言えます。

 

次に、自社内での協力、ひいては「自分の会社が新卒採用に真摯に取り組んでいるのだ!」という共通認識が必要になってきます。ある学生の就活指南書では、「会社訪問の際に採用担当者の人に接すると本当のカラ―がわかる」と言ったことが書かれています。うわべだけ取り繕ってもバレテしまうのが企業風土。口コミやうわさなどもあっという間に広がってしまう現実があります。採用活動は社内教育の一環であることは、上手く行っているところであればある程自覚されている点だと思います。

受入の器以上の組織には成りえません。多くが欠員補充や戦力アップを目指して会社の発展を目的としている以上、在籍メンバーの質は高めていくに越したことはありません。私も若かりし頃、「あなたのような上司にはついていけません」と言われて大変なショックを受けたことがありますが、いつ、どのように変わるかはきっかけが必要だと思います。

 

考えてみれば、どの学生も親御さんにとってみればかけがえのない大切な御子息、御息女。採用企業からすれば多数のエントリーの中の一人かもしれないのですが、彼らには22歳迄の人生の背景があります。もちろん多額の投資も行われてまさに社会に出ようとしているわけです。採用の可否はともかくとしても、一人の人生の入口に関わっていることを深く捉えなければなりません。それ相応の姿勢、対応が問われていることを採用担当者はもちろん、会社全体で認識すべきなのです。いくらでも変わりはいる!といったコマ扱いしていては組織は発展しません。そういえば第二創業期で苦戦するところは共通して人を大事にしないのだとか・・。冷静に考えてみれば至極当たり前のことで、因果応報と言えます。目に見えるモノ・コト、フローとしてやらなくてはいけない業務、いろいろ採用活動は煩雑なことが多いです。しかし、本質の部分(真摯な心とか相手ありきといった)が、如実に表れてしまうのが怖いところ。準備が必要だと言う事です。最後に今年の採用活動のタイミング・ポイントを記しておきます。*愛媛中小限定

 

ナビ/12月グランドオープン。更新やメール配信に気をつければリクナビ、マイナビ、日経ナビで結果にそん色なし。

 合同説明会/2年前まではまったく選考歩留まりの悪い形骸化したものだったが、時間制約の中で接触を求める学生ニーズに合致。但し参加エリアは注意が必要。自社ターゲットはどこにいるかを考えて参加すべき。12月~2月までが理想。3月以降は「定まらない学生」が多い。

単独説明会/2月スタートが理想。初動組が地元・県外ともに良い印象。採用している側も意欲が自然に高まります。「定まっている学生」が多い。多くに会える機会づくり(回数だけでなくエリアや時間帯に配慮)を行うべし。内容も自社らしさを出せることがより重要になった。

選考/ESで何を見るかを工夫。夢や理想も大事ですが、今までの足跡から今後の自社での活躍や組織への合致度を判定。益々、綿密に準備設計したコンピテンシー面接の必要性が高まったと感じます。

最終/悩ましい場面ですが、予め決めた採用基準にのっとって公平な判断がベター。感情や好き嫌いがあまりに反映されると必ずミスマッチが生じます。採用の後には、「内定受諾~入社~定着」というハードルがあることを忘れずに慎重に。

 

はやくも4月半ば。2015年度採用も水面下でひたひたと音が聞こえてきました。すべては逆算して準備して活動本番では迷いの無い動き、これがイマドキの採用の必勝法だと思います。