組織が大きくなると、社員と向き合うことが大変になってきます。プレイングマネージャーであればなおさらであり、役職が上がればそのやり方や対象まで複雑になってくるでしょう。 

 

中には、賞与の支給時のみ半期に一度、のようなところもあるのではないでしょうか。「そんな時間とれませんよ!」と言われる方も多いです。確かに業務量や責任範疇において「適切な面談」を定義するのは難しいと思います。 

 

私も現在多くの企業様の深部にて「面談代行」を行っています。面談には主に3つの機能が求められます。 

 

ひとつめは「状態の把握」。

 

通常業務を傍から見ているとわからないことが多いことに気づくのがよい面談と言えます。人はしっかり聴いてもらえる人にしか心を開いてきません。「しっかり聴く」とはコーチングで言うところの積極的傾聴が当てはまると思いますが、形式ばったものではなく「興味を持つこと」が最重要です。自分自身もそうですが、本当に興味持ってくれている人には詳しく話しますが、そうでない人にはどこかで情報発信にも制御がかかります。当たり前といえば当たり前ですが、相手の状態を把握したいのであれば、それに対して真摯に対応していく姿勢と、理解する努力が必要になります。 

 

ふたつめは「動機づけ」。

 

立場が上になればなるほど、「こうなればいい」「目標達成にはこうなってもらわないと困る」というこちら側の論理が先行するのは否めないと思います。よほど組織が順調に行っているか、代替する人材がいるかなどの”余裕”がなければその論理は色濃くなるでしょう。貧すれば鈍するという言葉もあるように、追い求めることに妄信的になればなるほど部下の言葉は「我儘」や「未熟」に聞こえるでしょう。しかし、組織は協力しながら成り立っているのです。使い古されていますが「シナジー」を生む感覚を持たないことには役職が上がれどやっていることは昔と同じ、いわゆる自分の行動と結果が大半を占めるような組織運営になってしまいます。面談ではまず相手の話を聞ききることが求められます。そして、最も相手に変化してほしい、期待に応えてほしいところは・・

 

「私は☆☆君に○○を◇◇のためにやって欲しいと思っています。☆☆君はどう思いますか?」と、意志の刷り合わせを行ってください。多少妥協点はあるにせよ、こちらの考えを伝え相手の考えを知る(温度差を知る)ことは動機づけに大きく作用します。一方体に「会社が○○だから君も○○を理解し、貢献しなさい」ではやる気がでません。 

 

みっつめは「感情の浄化」

 

人は自分の存在価値を確認したいものです。しかしながら「あなたが必要だから」などとはあまり言い合ったりしません。面談対象になる人は、決してどうでもよい人ではなく、何らかの理由で面談するに値する人だと思います。だからといって相談ごとや課題の告白に関して、即答の解決などは必要ないと考えます。一定の理解を示し、気持ちを慮り、「一緒に良い方向に行こう」という支援の意思表示をするだけで方カタルシスはある程度成立するものです。さまざまな価値観が渦巻く組織内で、どうしようもない序列があり、個々の納得感を100%得させるには無理ある中で、協働の上社会的な価値を生み出して利益創出するのですから、ストレッサーは絶えず出現します。そんな中でもやもやしながら自己実現も追い続けるわけです。飲みにケーションやガス抜きフォローもいいのですが、話を聴く時間を設けた方が生産的かと思います(飲んでも本質は何も変わりません)。 

 

テクニック的なことに今回はあまり触れませんが、面談する側が、主体的な意図を持って面談を実施することが非常に大切です。まとめると、「相手に興味を持つ」「聞ききる」「自分はこう思うがあなたはどうだ?のような形で互いにコミットする」この三点がポイントだと考えます。