10月後半にもなれば、今春入社の新人もほぼひととおりの「研修」が終わり、配属先で少しずつやるべき仕事にまい進しているのではないでしょうか。そこで目を向けたいのが昨年や一昨年入社の「先輩」方。1年、2年の差が業務や思考にあるでしょうか?
会社はいわば同じ大会で勝利を目指す同じスポーツのチームのようなもの。もちろん花形レギュラー選手もいれば補欠もいるし、ベンチで記録分析するマネージャーもいれば指示を出すコーチもいます。学生時代と違うのは3年や4年で卒業せずに、キャリア年数が長い年長者が存在するという事です。
新人に問います。
「今の会社の総合力が1000だとしたら自分の存在意義や貢献度はどのくらいの数字で表される?」
20人までの小さな企業だと「20もないと思います」。50人になると「10はいかないかなと思います」100人を超えてくると「1とか2ですかね」というのが大方です。個人の体感値なのでそれは自由なのですが、
「では今言った自分の数値に社員数を掛け算してみましょう」
20人の会社で20なら400。50人で10なら500。100人で1なら100。会社の総合力が1000であること前提に考えたとき、全く足りない状況を自覚してもらいます。
「1000の総合力で〇〇さんが20なら400。もしもこの状態が続くと会社はどうなりますか?」
「・・・無くなりますか?」
もちろん、能力や役割には個人差があるので、いきなり一人前にはならないのが普通なのですが、本人がどこを目指すかの指標を設定するのは非常に重要だと思います。20人の会社であれば平均は50なので、現在の20をそこまで引き上げるにはいつまでに何を成さなければならないかをある程度の内発を持って自覚してもらうことは、結果的に本人のためにもなるのです。
また、冒頭触れた「先輩方」ですが、何年たっても平均値到達はおろか、目指す意識もないのでは当然お荷物になってしまいます。また、あとから入社したものにもどんどん抜かれていくことは本人のためにはならないでしょう。個々にある「何のために」を日々の原動力にしていけるよう寄せていくことは、上司としてとても重要な職務だと思います。経年と共にどんどん難しくなりますので、できるだけ早期に問うてみましょう。
「会社のためにはともかく、自分のために良くないのではないかと思うけどあなた自身はどう思っている?」