採用基準の話

先日情報交換したKさん。人事関連のコンサルをやっているのでいろいろ情報交換しました。すると、採用を見直すもしくはスタートする企業のほとんどに言えることが・・

 

「明確な採用基準がない!」

 

ということ。確かに、私も関わる企業のとっかかりは基準の曖昧さを感じます。つまりそこがはっきり決まっていないがゆえに、選考もなんとなくやっている風な感じになり、結果的にミスマッチを生みだしてしまう・・。しかもそういったことが一年だけでなく、ひどいところになると何年も同じことを繰り返してしまい、「採用には取り組んでみたもののやはり当社は社会人経験のある中途が向いているようだ」という結論に至る。中途の方が採用難易度は高いのですが。

 

各社採用するに当たり、やはり大切なのは「目的」だと思います。人員補充だけになっていないか?受け入れる意識・体制は並行して進んでいるか?採用した「人」をいかに機能させ、いかに成長してもらうか・・など、決めておくことは山ほどあります。もちろんいっぺんに行うことは不可能。ですから、徐々にそういったことを確立させながら組織を強化していかなくてはならないのです。

 

私のお客様に、募集費用を何百万も費やしながら一人も採用できないどころか、エントリーさえもままならなかった企業があります。スタート時、状況をよく聞きながら、最初にやることを「応募者に対しての満足を上げる」ことに注力して行いました。もちろん担当役員の方は大変だったと思います。2名の採用成功を皮切りに、そこからリスタートして毎年採用活動を行い、8名の新卒が入社しましたが、定着しなかったのはわずか一人。現在、各部署で活躍する人財へと成長しています。もちろん毎年注力するプロセスをひとつずつ加えて現在に至っています。

 

検証する「眼」となるのが私たちの仕事。そのために関与先の経験値はもちろんのこと、様々な人脈や専門家との繋がりの中でケースに応じた仕事を遂行しています。日本の人口は下降の一途を辿っています。自社ビジョンを描きながら、結局は「人」が動かしていくことを考えていけば、今しなければならないことが少しずつ見えてくると思います。

 

まずは自社の採用基準を設定・周知し、それを見極めていくためにはどのようなしくみ(人の集め方や選考方法)を確立する。トライアンドエラーを繰り返しながらも、結局は着手したところのみしか辿りつくことはできないことだと思います。

 

組織作りに偶然は続かないのです。