健全な組織づくり

会社というのは仕事をする場という大前提があって成り立つと思います。個々が相手を慮りながら業務を進めると同時に、その集合体がいわゆるシナジーを生みだすことが望ましい。結果、広義の利益をもたらし心身共に豊かになっていくのではないでしょうか。

 

そこには社長も入ったばかりの新卒も関係なく、同じ目的を達成していくに当たり自分がどのように寄与していくかが問われると思います。こんなこといちいち書かなくてもいいような話なのですが、なかなかこれが効率的に回転していかないところに組織の難しさはあると思います。

 

今、新卒採用真っただ中です。就職媒体を覗いてみると様々な企業が自社のアピールポイントを掲げてエントリー者を募っています。(終わったところもちらほらあります。)その情報を読んでいくと、さすがに「うちは離職者の数がすごいですよ!」とか「残業は当たり前です!」なんて言葉は見受けられないはずです。マイナス要素を書く必要はないのですが、逆に美辞麗句に彩られた内容が果たして本当なのかどうか?美辞麗句が悪いわけではないのですが、掲げたセールスポイントを実現するために実行していることはなにかを検証するいい材料になると私は考えています。

 

先ほどマイナス要因として「残業」のことに触れました。業務としてどうしても残業が必要であると言う企業、業種は多いのではないでしょうか?もちろん毎日深夜になることを奨励はしていないでしょうけれども、お客様や会社のためにせざるを得ない残業もあるのではないでしょうか?ポイントは、当事者にとってそれが「やらされ感一杯のしんどいこと」になっていないかどうかではないでしょうか。

 

やらされ感を生じさせないためには、まず連日連夜そういうことにならないようにすること、仕事の理屈を日常からしっかり理解させること、組織ゆえに本質の部分で孤独にさせないことなどが挙げられるでしょう。これらは多くの場合「環境」や「社風」の部分になってきます。会社のセールスポイント、マイナス要素は実は表裏一体で、このバランス感覚は既存組織の体質が大勢を占めていると言えるでしょう。

 

楽しくて愉快なことばかりが仕事なわけないのです。筋トレと同じくどこかで負荷をかけ、ときには「もう駄目かもしれない」などと思うような体験も必要です。しかし、それを適正にサポートしていくことができるかどうか、この辺が大切と言えるでしょう。「新人も、共に組織をつくっていく仲間である。自分もかつて未熟であり、見えるところ見えないところで様々な人に助けてもらって今があるのだ」という認識は故意に作っていかないとスコンと抜け落ちているものです。