並走支援でしか見えてこないものもある。

現在、担当している企業の本年度新卒社員の定着~育成支援を継続中です。4月に入社した彼らも5ヶ月目となると仕事内容も本格化してきていることに加え、それが学生時代に体験する事のなかった負荷となり、仕事力の筋力が養成されているように感じます。従順と言う意味ではなく、起きている事を受けとめながら四苦八苦しながらも、素直に仕事に取り組む姿勢が大切であることがよくわかる時期です。個を戦力として覚醒させるにはいくつもの壁を、本人とともに越えていく必要があります。理屈を説明し、納得させて、励まし、ときに鼓舞することで深みのある社会人となります。同時に教えていく側も「面倒くさい新人教育によって」育てられていると思います。

 

別のクライアントでは、入社10年以内社員の方々の仕事力を高めるための仕組み作りをお手伝いしています。社歴を重ねると個人差は当然出てきます。個の特性をいかに見出して活躍させることができるか。新人と違いフォローだけではどうしようもない部分もあります。凝り固まった負の要素をいかにして変容させるかは、立ちかえるべき基本の再習得意外にありません。意外に年数勤務していてもこの基本が身についていないことが多いと感じます。営業職であっても、事務職であっても、技術職であっても、仕事を進めるうえで大切なことを抑えていかない事には、後輩に教え切る事はできません。遅すぎることはないので気付けばすぐにとりかかればよいと思います。

 

そういえば先日、王さんがテレビで「よいところを引き出す事こそが管理職の仕事」と言われていました。人はそれぞれに活きる要素を持っています。あまりに型にはめるとせっかくの要素が消えてしまう。興味を持ってよく観察し、話しかけ、見出していくことが育成には不可欠です。つまり、面倒がっていては成り立たないと言う事です。

 

昔、進退問題が出る部下を面談すると、辞めたい理由に「先が見えない」という不安を口にする人が多かったように思います。しかし、よくよく考えると、明日のことどころか今日の夕方どうなるのか、一分先のことでさえ予測する事は難しい。先が見えないからこそ面白みがあり、創意工夫のしがいがあるという捉え方もあるはず。そして、自分で立ちかえるセオリーがあれば幾分か不安は鎮まると考えます。それを教えていけるかどうかは、やはりこれも自分自身で道を拓いて進んで行くしかないのだと思います。私は仕事で並走支援を心がけていますが、こうして色々な人と課題を共有する事で“毎日が目から鱗の大発見”という刺激をもらっています。

 

本日も夕方より企画打合せです。成果を共有できるよう考え抜きたいと思います。