ローカルな話ですが、東予地区から松山方面へ帰ってくる某所に小規模な鉄工所があります。大学時代、アルバイトで同じくこのルートを深夜に通ると、必ず何かの制作物にサンダーの火花を散らしていて、同乗していたアルバイト先の社員さんが「ここの仕事ぶりを見ていると自分たちがしんどいなんて口にできんよな~」と言われていたことを思いだします。もちろん今もこの鉄工所はあります。このご時世でも存在し続けているのです。
マラソンの小出監督が、今回のオリンピック女子マラソンの惨敗について、そもそもの実力不足。Qちゃんは他を犠牲にしてでももっと練習していた。という旨、お話しされていました。その高橋選手も他のインタビューか何かで、こちらは野口みずき選手を引き合いに、練習で追いこむという選手がいなくなってしまったことを指摘していました。
効率に基づくメソッドも大切なのですが、基本、地力は量によって養われることが多いと感じます。才能ある人も磨かなければ光らない。才能ない人はそれ以上にひたむきに磨く習慣をつけないと特定の分野で頭角は現せない。
前述の鉄工所も、あれだけ遅くまで仕事していれば、働く人本人のしんどさはもちろんのこと、ご家族にも影響があるだろうと想像するに難い。しかし、未だに存在し続けているということは、この分野での多方面からの支持を得ているからに違いないわけで現に直近に見た時もサンダーの火花と、山積みの鉄鋼素材がありました。「勝ち残るとは続けていくこと」とは某有名アーティストの言葉ですが、まさにその通りだと思います。社屋も20数年前に初めて見た時と同じ(既に油まみれでした・・)ですが、そこにあり続けていることのすごさ。
営業研修でも、過剰な理論理屈に走らずに、まずは「結果=気×質×量ですよ~」とお伝えします。量で土台を築きあげないとなかなか上物は安定しないのではないかなと思います。本当に大切なものは、単調で退屈で、それでいて持続するのが難しくて、しんどさを伴うものなのだと思います。だからこそ「なんのためにどうしたいのか?」は常に自分に問いながら何ごとも取り組まなければいけないのだと思います。目的意識こそ行動を支える源泉なのです。