他人同士が同じフィールドで働く「職場」には、齟齬や衝突、不平不満はつきものです。対場が違えば考え方や捉え方も変わるでしょうし、それらをひとまとめにするのは一筋縄にはいきません。人数や規模の大小に関わらず多くの課題が恒常的にあるのがごく普通だと思います。
このご時世様々な変化を余儀なくされる中、経営者が舵を切ってもすぐにそちら向きにいくことは難しいもの。複数の組織の採用、組織構築、育成支援に関わりながらひしひしと、そして毎日感じています。準備や予測や判断や決断が一寸先を左右していると言えると思います。では一体どういったことが未来に対応できる組織改善の糸口になるでしょう。
それはおそらく目的意識の一致だと思います。ひとりひとりが「なんのためにどうしたいのか?」に向き合って、はっきりさせることです。もちろん組織の根幹に関わる立場になればなるほどエゴのようなものよりも「全社最適」を目指さなければならないでしょう。そして、分かりやすく「なんのために」を解説しながら部門を引きあげていかなくてはなりません。ここに大切なことはあらゆる属性の人との「対話」であると思います。
システマチックで、便利で、効率的な「一見革新的な方法」には落とし穴があり、使うなとはいいませんがそこに溺れてしまうと本質に辿りつけません。私のように外部から召喚されるような者は、得てして拒絶されることもあるのですが、やはりここにも対話、理解し合う努力、そしてツールは使いつつも手間のかかることもやる、といったことを粛々とやり続けるしか解決策は見いだせません。社内組織において利害関係の一致する同士でも同じでしょう。ところが様々な仕事を捌くことのできる「ゼネラリスト」が必須要件になっているような現代、仕事が出来る人ほど時間の縛りとやりたいこと(やるべきこと)の間で葛藤しています。組織全体が最もパフォーマンスが上がるようにすることもマネジメントの役割だと思います。
深く組織に関わる案件がひとつ加わった来期ですが、外部ならではの感情を抑えた視点でしっかり観察し、関わるすべての人の「なんのためにどうしたいのか」を見つめながらもともとの依頼をいただいているトップのビジョン実現に寄与したいと考えます。採用のみならず、複雑に絡み合った解決困難なことも関与する事が増えてきましたが、自分自身と向き合い、経験を積みながら対応スキルも上げていきたいと思っています。